射出成形

射出成形とは

1. 日用品
全般
洗面器,コップ,歯ブラシの柄,PETボトルのキャップ,パッキン,植木鉢,風呂桶,家具類
2. 家電
全般
テレビ・ビデオ・ステレオ等の筐体,モバイル機器の筐体,リレーターミナル,コネクタ,モータのローラ,ステータの絶縁,半導体封止等の電気製品の部品
3. 自動車
部品
インストルメントパネル,ドアインサイドパネル,バンパー,ハンドル,レバー把手,各種操作ボタン,ランプカバー,モール,ボンネット,ルーフ,小物部品等の自動車の部品
4. 事務
機器類
パソコンの筐体,キーボード,キー,マウス,コピー機の筐体,トレイ,ロール,レンズ,FD,MD,CD等の事務機器の部品
5. 精密
機器
カメラボディ,レンズ,双眼鏡ボディ,時計のボディ,ギア等の精密機器

 射出成形とは、主にプラスチック製品を作る方法です。これにより作られる物は、バケツやペットボトル等の日用品,家電製品の筐体や部品類,バンパーから内装に至るまでの自動車部品,パソコンやコピー機の等事務機器の部品,写真機とそのレンズやギア等の精密機器類と多岐にわたっていて、この内、特にエンジニアリング・プラスチックと呼ばれる複雑精巧な部品を北上精工では製造しています。

 この方法は、量産品を自動生産する手段として、その生産性の高さに秀でています。不定形の材料を少ない工程(短時間)で転写性の高い高精度の完成品を量産出来る為に、プラスチック成形法の中では最も普及している方法となっています。
 さらにはこれらの特徴を活かし、プラスチックの他にも多彩な材料(金属,樹脂,粘土状)やそれらの組み合わせ,複合部品等の、大型部品から超小型部品までの広範な部品が射出成形によって作られています。

射出成形機について

[射出成形機の写真]
 ▲ 射出成形機

 これらプラスチック部品の射出成形には射出成形機という機械が用いられます。
 その射出成形機には立型・横型,油圧式・電動式等の区別があります。また精密な部品は自動落下時の衝撃等を非常に嫌いますので、これらの部品の成形の際には製品を取り出す為のロボットを併用する事があります

 射出成形機に於いては、油圧式のものが圧倒的な割合で従来より採用されてきました。 油圧式の機械では、小型な物でも大出力を出せ、また構造が簡易である為に安価に導入することが出来ます。また動力を蓄積出来るので、モータ動力以上の高速駆動を実現出来ます。しかしこれらの利点の反面、動力媒体が油であることに起因する様々な欠点を備えていることも事実です。油温の変動は圧力や速度の変動に直結し、高精度の製品の製造に不安を残します。また、動力変換が多く、モータを連続運転しなければならない為にエネルギー効率が良くありません。さらには油漏れの対策や廃油対策など、環境汚染の恐れがあります。無論これらの問題点は或る程度の改善は可能です。
 翻って電動式の機械では、速度制御の安定性・定常性・再現性・可変性が良い為、厚肉品・転写性が必要な成形品の製造に適している事が何よりも見逃せません。複数の工程を同時並行に動かすことが出来、サイクル時間の短縮が可能であり、制御装置が電動サーボシステムに統一されていることから、保守も極めて容易となっています。勿論、ボールネジやベルトが駆動系である為に、環境的にも清潔です。また駆動時のみにモータを運転し、機械的に動力を変換出来ることはエネルギー効率の高さを裏打ちし、省エネにも貢献出来ます。一方、射出成形法には大きな力や速い速度が求められる為に、モータのサイズ等が大きくなってしまい、さらに駆動部にモータを多数使用することも併せて設備価格の高騰を招いています。  

無論、油圧式成形機で事足りる場面は多々あります。しかしながら、エンジニアリング・プラスチックの成形現場では後者の電動式機械が用いられています。
 例えば洗面器やバケツ等の日用品の如きは寸法や形状の少々の狂いは許容されます。しかしエンジニアリング・プラスチックに於いては1ミクロン以下の水準の成形精度(転写性と呼称します)が求められていて、流し込むプラスチックの計量やこれに加える圧力を高精度に制御する必要があります
 日用品の如きは、例えば「バリ」があっても差し支えありません。バリは、金型が完全に閉じられていない場合や締め方が不十分であった場合等に、加圧力により金型の開き目へプラスチックが浸入する時に発生します。
 圧力制御の影響は寸法に、速度制御の影響は外観に、それぞれ跳ね返りますので、電動式機械の利点である安定成形性は、エンジニアリング・プラスチックの製造にまことに適っているといえましょう。
 さらに、清潔な成形環境の実現は環境対策を掲げる当社の方針にも合致しています。

射出成形の工程

  1. 乾燥させておいた材料をホッパに入れます。
  2. この材料を回転するスクリューにより順次ノズルへと移送し、圧縮・溶解します。
  3. するとノズル内側に液化した材料が溜まりますので、スクリューに圧力をかけながら前進させます。これによって、ノズルから金型へ材料が注入されます。
  4. 金型内に圧力をかけた後に冷却し、形にします。
  5. 金型を開けて製品を突き出し、ロボットアームにて取り出します。